生成AI TRPG「女性しかいない村」
そして、それから3日が経った。
あの後すぐ、[変数.急病人]は近くの街まで運ばれ、治療を受けた。
今は、少しずつだが快方に向かっているらしい。
村が解放されたことについて、村人の反応は様々だった。
腹を立てている人も、感謝している人もいた。しかしどこか、ほっとしたような空気が流れていた。
そんな村人たちの様子を眺めながら、村長は言った。
「本当は、わかっていたのです。今の生活は、そう長くは続かないと。
しかし、勇気が出なかった。決断する勇気も、皆の命を背負う勇気も。
だからこそ、私はあなたに感謝しています。ありがとうございました。
そして、申し訳ありません。あなたに重いものを背負わせてしまって」
師匠は、〇〇に泣きながらお礼を言った。
「診療所では酷いことを言ってすまなかった」と、涙ながらに謝ってきた。
【GMメッセージ】
PLは、村に定住するか、村を出ていくかを選択してください。
「それで……〇〇さん。この後、お時間はありますか?
あの場所へ行こうと思うのですが、ご一緒にどうでしょうか?」
「言わずともわかるでしょう。あの子の……
白蛇様の、お墓です」
村長に連れられて、〇〇は地下を進んだ。
扉を開けた先には、地上から日が差し込む神聖な空間があった。
その空間の中央。先日は神鏡が飾られていた場所に、墓石があった。
「私は、あの子に酷いことをしました。
最初は、無知から。自覚してからは、村に住む皆のため……いえ、我が身可愛さもあったかもしれません」
墓石の前で手を合わせながら、村長は語った。
「これ以上罪を重ねるのが怖くて、私は手を下すことができませんでした。
ですが、頭ではわかっていたのです。私はもう、長くは生きられない。村も見捨てられない。
あの子を不安を取り除いてあげられるだけの時間も、余力も、私にはもうない。それなら……」
村長は、労るように墓石を撫でた。
「こうしてあげるのが、きっとあの子にとっても幸せだったのでしょう。
〇〇さん。改めて、お礼を言わせてください。
本当に、ありがとうございました。あの子の望みを、叶えてくれて」
「村長」
その時、横から声がかかった。
そこにいたのは、旅装に身を包んだ副長だった。
「見送りありがとう……ございます。村長」
「いいえ、これぐらいは。……ところで、もう村長と呼ばなくても良いのですよ?」
「それは……」
副長はしばらく逡巡した様子だったが、やがて小さく「お母さん」と呼び直した。
村長が、ほろりと涙を流す。
二人は抱き合い、別れの挨拶を交わしていた。
「あれは、もうしばらくかかりそうじゃの」
そこへ、また別の女性の声がした。
そこにいたのは、巫女だった。見慣れた巫女服ではなく、ごく普通のジャケットと短パンを身に着けている。
「…………すまんかったの」
おずおずといった様子で、巫女がそんな言葉を口にした。
「わしを殺してくれと、頼んだことじゃ。よう考えると、会ったばかりの人の子に頼むことではなかった。
正直『なぜ殺してくれんかったのか』とおぬしを恨んだこともあったが……
今は、吹っ切れた。先でどうなるかは知らんが、しばらくは、村の外での自由な時間を目一杯楽しんでやるつもりじゃ!
おぬしも、村のことが一段落したら遊びに来い。またジェンガをしよう。約束じゃからな!」
巫女が小指を差し出してきた。
繋がれた小指を見て、巫女がきしししっと笑う。
その後、巫女は副長に連れられ、手を振りながら村を出ていった。
巫女の足取りはどこまでも軽やかで、迷いはなく。
その旅立ちを祝福するかのように、小鳥の鳴き声が辺りに響いていた。
今日は、〇〇が村を発つ日。
見送りに来てくれた村長は、それでも尚、頭を下げ続けている。
「すまん、待たせたの!」
そこへ不意に、高い女性の声が聞こえた。
目を向けると、ごく普通のジャケットと短パンに身を包んだ巫女が、こちらへ駆け寄ってくるのが見えた。
それを見た村長が、眩しそうに目を細める。
「あの、白蛇様。私はこれまで、本当に……」
「あーいらんいらん、そういうのは! わし別に、お前のこと恨んでないし!
お前が色々と抱え込んで大変じゃったのは知っとるからな。
あとお前の作る飯は、いつも美味かった! これまで、ありがとな!」
その言葉を聞いて、村長は相好を崩した。
巫女が村長の肩をぽんぽんと叩く。
そうして二言三言話したあと、巫女は〇〇のほうへ向き直って、ニカッと笑った。
「さて、ではそろそろゆくか。頼むぞ、〇〇。
何せおぬしには、わしを殺さなかった責任があるんじゃからな。
その責任を果たすまで、最低でも50年は、わしの面倒を見てもらうからの!」
巫女は、きしししっと笑った。
「本気にするな、冗談じゃ。面倒になったらほっぽりだしてくれてよい。わしは死なんしの。
じゃがまあ、面倒になるまでは面倒を見てくれると、嬉しい、かの?」
そう言って巫女は、一足先に駆け出した。
100年振りの、村の外へと。まるで、近所へ散歩に出かけるかのように。